運動器症候群〜ロコモティブシンドローム〜
ロコモとは
骨・関節・筋肉などの運動器の障害によって、歩行や立ち座りなど移動機能が低下する状態を「ロコモティブシンドローム(運動器症候群)」(通称:ロコモ)と呼びます。
ちなみに、高血圧、糖尿病、脂質異常等の生活習慣病の前段階を「メタボ」と言うのは有名ですが、「ロコモ」の認知率はわずか17%です。
ロコチェック
7つのロコチェックで一つでも当てはまればロコモです。
- 片脚立ちで靴下が履けない
- 家の中でつまずいたりすべったりする
- 階段を上がるのに手すりが必要である
- 家のやや重い仕事が困難である
(掃除機の使用、布団の上げ下ろしなど) - 2kg程度の買い物をして持ち帰るのが困難である
(1リットルの牛乳パック2個程度) - 15分くらい続けて歩くことができない
- 横断歩道を青信号で渡りきれない
ロコモが進行するとどうなるの?
ロコモが進行すると、介護が必要になったり寝たきりになったりする恐れがあります。
具体的には、トイレや椅子で立ったり座ったりするときに手すりが必要になることが考えられます。また、歩くときにすり足になると、わずかな段差でつまずき、大きな怪我につながることもあります。実は高齢者の骨折の2/3は家の中のコード、本、絨毯のめくれなど、小さな段差で起きています。
ロコモの要因
ロコモの主な要因は、老化による筋力やバランス能力の低下です。50歳を過ぎると、特に下肢の筋力が急激に低下します。また、女性は閉経後に骨量(骨密度)が低下することは有名です。
ロコモの要因となる病気
以下のような病気が原因で、筋力やバランス能力の低下がさらに早まる場合があります。
- 骨関係
骨折(特に下半身や腰、首)、骨粗しょう症
- 関節関係
変形性関節症、変形性脊椎症、リウマチなど
- 筋肉関係
サルコペニア(加齢性筋肉減少症)、腰部脊柱管狭窄症(腰から下半身筋力低下をきたす)
病名では、骨粗しょう症、変形性膝関節症、腰部脊柱管狭窄症が三大原因とも言われます。これらを併せ持つ人もいるため、まずは専門家の整形外科医で診てもらうのが一番です。
中都市では運動不足に要注意
病気のほかに、運動不足もロコモを加速させる要因の一つです。
特に中都市と言われる富士市民は要注意です。農家の多い田舎では、よく働き歩きます。大都市では車に乗らない分、よく歩きます。ところが、中都市ではコンビニやスーパーなど近場に行くのにも車を使って歩かないため、運動不足になりやすいといえます。
ロコモの予防
ロコモの予防には、下記の習慣を身につけることが重要です。
- 食生活
バランス良く適量を食べる(Ca摂取のための牛乳など)
- 生活習慣
規則正しい生活リズム(適度に日光を浴びるような生活)
- 運動習慣
ジョギング、エアロビックス、水泳、散歩など
若い時から習慣化するのが望ましいですが、中年以降も積極的にそれらの習慣を実践しましょう。高齢者には過度な運動は禁忌のため、片足立ちとスクワットの「ロコトレ」だけでも頑張って続けましょう。
ロコモを防ぐ「ロコトレ」
片足立ちとスクワットの「ロコトレ」ができていれば、転倒や骨折のリスクも少なくなります。